負けるために、戦った










戦えば、負ける自信があった。


戦いましょう、コロッケさん!


だから僕は、あなたに戦いを挑んだ。



ぼくだって、オコゲ師匠の修行で強くなったんでっす!

少し修行したからって、追いついているはずがないことは知っていた。

や、やめろ、キャベツ……。

あなたは誰よりも強く、

オレはお前と戦えない……。

誰よりも優しいのだから。

だったらぼくが……生き残るだけでっす――!

僕はあなたよりずっと弱い。

やめろ……

だから僕は



やめろォ――――!!



あなたに戦いを挑んだのです。



キャベツ――――――!!!




後悔なんて、していない。


Fin.


彼は薄れゆく意識の中で、
微笑んでいた。






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