ちょんまげネコ様とお題交換



@カイからのお題 シッポウ&技神まーで「無条件降伏」


↓ちょんまげネコ様のイラスト







↓上のイラストを見ながらカイが書いた小説



「琥珀色の瞳」
 琥珀という名の宝石を知っている。太古の樹液が化石になったもので、濡れた大地とも冬の黄昏ともつかぬ深い金色をしている宝石だ。技神まーの瞳は、その琥珀のような色をしているとシッポウは思った。そしてすぐに、やっぱり違うなと感想を変えた。琥珀のような色をした技神まーの瞳に、長い時を見守り続ける温かさはない。
「みみみを殺せ。ならば望みを叶えてやる。」
 できなければ俺がお前を殺すと、その声は低く静かにシッポウに宣言した。
 実は望みが叶うことはシッポウにとってそれほど重要ではなかった。それよりも強者と戦えること、それも文字通り命を賭けた戦いが出来ることに、シッポウの身体中の闘争心が喜びに打ち震えていた。
 であれば、目の前の技神まーに戦いを挑めばそれはそれは死と隣り合わせの戦いが出来ただろうに、シッポウがそうしなかったのはそれがもはや戦いと呼べるものになり得ないことを本能で感じていたからだった。奴の内から、あるいは奴自身から? 尋常でない化け物の気配がぷんぷんする。
 強者との戦いを求めて、技神まーに関わるべきではなかった。先立たなかった後悔と恐怖を必死で隠して、シッポウは来るべき戦いへの興奮のみに集中した。
「お前の好きにしろ。」
 精一杯強がってそう答えるシッポウの引きつった笑みが、技神まーの琥珀色の瞳の中に虚ろに映っていた。

Fin.









Aちょんまげネコ様からのお題 むむみみ「あなたを守りたい」

↓カイの小説



「萌芽」
 巨大な円柱のような山のてっぺんで、技風むむは技々みみみと共にいた。みみみの様子を見に来たらそのままバトルになり、決着がつかないまま一旦休戦したのだった。今、あぐらをかいて座るむむの隣に、みみみが寝転がっている。あー疲れた、相変わらずむむつえーや、などとつぶやいて。
 みみみは元気そうだった。バトルも楽しんでいた。少し前に友だちを失い戦う意欲をなくしていたみみみにむむが入れた一喝が、役に立ったようだった。むむはなんとなくほっとする。それは不思議な感覚だった。
 みみみのことが気になって来たことは認める。だがそれが心配なのか、興味本意なのか、今後の戦力の確認なのか、よく分からなかった。 どれも当たっているようで、どれも外れているような。
 あっとむむは思い至る。守りたいと、思ったのだろうか。技々みみみのことを。
 むむはみみみに対してそんな感情を持ったことに驚いたし、そもそもその感情自体が不馴れなものだった。戦うことも、力を使うことも、いつも自分の為だけのものだったから。誰かを守りたいだなんて。
 戸惑いを隠せないままみみみに視線を落とすと、彼女は大口を開けてあくびをしたところだった。
 むむは呆れて小さく吹き出し、一瞬抱いたその感情はやっぱり気のせいだなと結論した。
 それがいつか花咲く思いの、確かな芽生えであったことを、むむはまだ知るよしもなかった。

Fin.

↓上の小説を読んでちょんまげネコ様が描いたイラスト










ちょんまげネコさん!本当にありがとうございました〜!!(^^)










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